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カテゴリー「小説(単行本)」の記事一覧

【書籍】「モナドの領域」 筒井 康隆(著)  

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出版社: 新潮社 (2015/12/3)



 昨年12月に購入してそのままにしていたものを今月ようやく読み終わった。実際の読書期間は1週間ほどで、それなりに面白く読むことができた。

 『モナドの領域』は、八十一歳の巨匠、筒井康隆の最新長篇。文芸誌「新潮」の2015年10月号に一挙掲載、たちまち雑誌が売り切れて、急遽増刷されたことでも話題を集めたとのこと。本書の帯には「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」という、著者自身の言葉があり、作家筒井康隆にとって自ら宣言する生涯最後の長編ということなのだろう。

 筒井康隆の作品は若い頃から親しんできた。最初はSF小説作家として「家族八景」なっどの作品に親しみ、その後、「大いなる助走」あたりからだろうか風刺的な作品も楽しんで読むことができた。その後、「虚人たち」、「虚航船団」あたりは発売と同時期に読んだ記憶がある。1980年代であり、私自身も若かったことから、著者の思いを全て理解しているわけではなく、その文体の面白さなどに興味を持って読むことができたのだろう。

 その後、1990年代に著作に対する批判を受けて断筆するのだが、その頃には著者に対する関心がなくなっていたのか「断筆」に対する記憶はないので、しばらく著作からも離れていた。

 昨年久しぶりに1989年の作品である「残像に口紅を」を読み、斬新な小説への挑戦を感じ、最近の著作も読んでみようと思って「モナドの領域」を手にしたわけである。

 さて、本書のタイトル「モナドの領域」の「モナド」であるが、あまり聞いたことのない言葉だろうと思う。私も最初は個人の名前かなと思ったくらいである。「モナド」とはライプニッツ(17世紀のドイツの哲学者)が考案した「空間」を説明する概念とWikipediaに掲載されている。解説を読んでもよくわからないのが実感。

 小説を読むと何となくわかってくるのは「人間とは何か」ということを筒井康隆風に描いているのではないか、ということ。ちょっと物語もスラップスティック的な面もあるが、物語としては面白いと思う。GODを通して語られる人間の姿がやや世紀末的な色彩を帯びて感じる面はあるが、彼の小説としては確かに著者の言うとおり最期の作品という意味合いなのではなのかと感じられた。

 筒井康隆氏の小説に興味がある人は読んでみてください、としか言えないかな。

(2019.07.22)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2018年12月31日(日)
☆ 価格  1,512円
☆ 読了日 2019年07月08日(月)




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【書籍】「ある男」 平野啓一郎 (著)  

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出版社: 文藝春秋 (2018/9/28)



 発売当時から気になっていた本であり機会を見つけて読んでみようと思っていた。メルカリで中古本を購入し、読み終わったもの。

 著者である平野啓一郎氏の著書を読んだのは本書が初めてである。調べたところ1975年生まれで、京都大学在学中に執筆した小説「日蝕」で1999年に芥川賞を受賞している。当時、丸山健二氏に次ぐ若さで、「三島由紀夫の再来かと思われる神童」と評されたことが書かれていた。その後、長編、短編小説を発表しているが、本書の前に2016年に毎日新聞社から出版され、渡辺淳一文学賞を受賞している「マチネの終わりに」が注目を集めた。この作品は今年11月に福山雅治主演で映画化される予定である。

 さて、本書の内容であるが、主人公の弁護士がかつての依頼者から自身の亡くなった夫についての奇妙な相談を受ける。それは夫が亡くなってからそれまで全く連絡を絶っていた本人の兄に連絡したところ写真を見た兄が「これは弟ではない」と断言する。そこに不審を持った女性からの依頼を調査することになるというストーリーである。

 本書のタイトル「ある男」が調査対象の身元がわからない依頼者の夫であることは間違いないのであるが、著者の思いはそれだけではなさそうである。小説に登場する主人公自身も一人の「ある男」であり、その他に登場する男たちも一人ひとりが「ある男」である。その「ある男」たちがこの世に生を受けて歩んでいる人生そのものを描いた小説といえる。「人間とは何なのか」、「自分とは何なのか」、そんなことを考えさせる作品となっている。読みごたえのある一冊である。

(2019.06.18)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2019年06月02日(日)
☆ 価格  1,728円
☆ 読了日 2019年06月16日(日)





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【Kindle】「そして、バトンは渡された」 瀬尾まいこ (著)   

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出版社: 文藝春秋 (2018/2/22)



 2019年度本屋大賞受賞作である。選評を見たところ他の候補作と比較して得点が圧倒的であり、多くの本屋選者が投票したことがわかり、Kindle版で読むことにした。

 物語は一人の女性主人公の結婚までの生い立ちを描いているのだが、特に描かれているのは家族をはじめとした人との関係である。生みの親である母親は主人公が幼い時に亡くなっていて記憶がない。その後、父親が再婚し新たな母親と3人で暮らす生活を送るが、父親が仕事の関係でブラジルへ行くこととなるが、主人公はその時に一緒に生活していた母親と日本に残る。この母親がブラジルに渡航した父親と離婚し、新たな男性と結婚する、というように主人公は親子という関係に翻弄される。普通で言えば尋常でない苦労を想像するが、主人公は一時的に涙することはあるものの、自分が流される人生に逆らおうとはせず、その流れの中で自分自身を見出そうとしているかに見える。

 冒頭からしばらくはライトノベルの印象があって途中で読むのを止めようかと思ったが、途中から止まらなくなってしまい、最後には主人公を祝福する気持ちに溢れ、自分自身が心ならずも涙してしまった。

 感動する作品である。本屋大賞受賞が頷ける作品であった。 ​

(2019.04.30)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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☆ 購入日 2019年04月20日(土)
☆ 価格   1,400円
☆ 読了日 2019年04月29日(月)




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【書籍】「木曜日の子ども」  重松 清 (著)  

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出版社: KADOKAWA (2019/1/31)




(2019.02.01)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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 ☆ 購入日 2019年01月29日(火)
 ☆ 価格  1,836円
 ☆ 読了日 2019年02月23日(土)




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【書蹟】「沈黙のパレード」 東野 圭吾 (著)  

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出版社: 文藝春秋 (2018/10/11)



 「週刊文春」誌上で年末恒例となっている「週刊ミステリーベスト10<2018>」で2018年の年間第1位となっているのを見て昨年末に早速読んだもの。
 もちろん東野圭吾の著書については今までにも何冊か読んできているが、本書のシリーズである「ガリレオシリーズ」については映画やドラマで見るだけであまり書籍を読むことがなかった。このシリーズ6年ぶり9作目となる本書が2冊目である。

■ストーリー
 ガリレオシリーズというからには大学準教授になった湯川学氏が事件解決に関わっていくのであるが、今回の小説はこれまでの犯人探しの小説と少し趣を異にしている。
 過去の行方不明事件が殺人事件へと変容し、そして新たな殺人事件が発生するのだが、読者にはその殺人事件の背景が微かながら読めてくる。科学的なトリックを解明するのは湯川の得意とするところであるが、犯人はその裏をかこうとしている。勧善懲悪を望みたいところであるが、小説は最後の最後で新たな変容、それも二重の変容を見せる。

■作者の評価
 冒頭の「週刊文春」の特集の中で著者自らがこの作品を「最高傑作をお届けできた」と語っているように、これまでの作品の中でも秀逸な気がする。このシリーズ特有の科学的なトリックを使うという点で、読者の想像を遥かに超えてくれている点が読み応えのある作品となっているのだと思う。
 ここのところ、映画でも連続して東野圭吾作品を見たりしてどっぷりと浸かっている気がするが、読後感、映画の鑑賞後感ともとても気持ちのよいものである。考えてみたらこのシリーズ3作目の「容疑者Xの献身」で直木賞を受賞していたんでしたね。

 引き続き応援して読んでいきたいミステリー作家である。

 
ガリレオシリーズ公式サイト → http://www.bunshun.co.jp/galileo/

(2019.01.22)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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 ☆ 購入日 2018年10月12日(金)
 ☆ 価格  1,642円
 ☆ 読了日 2018年12月07日(月)




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