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カテゴリー「小説(文庫)」の記事一覧

【書籍】「パラレル・ワールド・ラブ・ストーリー」 東野 圭吾(著)  

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出版社: 講談社 (1998/3/13)



 映画で話題になった原作を娘が読んでいて、未読だったので読み終わったものを借りて読んだ。

 てっきり最近の作品だと思って読んでいたのだが、読んでいて何となく鼻にかかる文体が気になるところがあり、東野圭吾にしてはちょっと若い文体だなと思ったら、確かに著者30歳の時の作品だった。

 物語は「パラレルワールド」とタイトルにあるとおりSF的な要素を含んだ物語である。それでも当初想像していたパラレルワールドとは少し異なり、はっきりと二つの次元が並列した書き方ではなく、二つの次元というよりも一つの次元の中に別の次元が入り込んでくるという内容である。そのことから少し読みにくさがあるように思うが、全体的には楽しめる作品だった。

 ちょうど最新長編書き下ろしの「希望の糸」が発売されたので、また最新の東野ワールドに触れることができる。楽しみ。

(2019.07.07)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 
☆ 価格  810円
☆ 読了日 2019年06月29日(土)




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【書籍】「BT’63 (講談社文庫) 」 池井戸 潤 (著)  

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出版社:講談社 (2006/6/15)



 本書は、2003年に朝日新聞社から単行本で出版され、その後2006年に講談社から上下分冊されて文庫として出版されたもの、今回はその文庫版2冊を続けて読んだ。

池井戸作品は、先日、「下町ロケット」シリーズの第3作を読み終わったところでその続編とも言える第4作目の「ヤタガラス」の発刊を待っているところである。そんな中、息子が読み終わった本書を「面白かったぞ」と持ってきてくれ、そのままにしておいたものを2日前に読み始め、実に面白くて止まらなくなってしまい、一気に読み終えた。

池井戸潤氏は、1998年に「果つる底なき」で小説家デビューするのだが、前職の銀行をテーマにした作品が多く、その後、彼が著名になった半沢直樹シリーズがあるが、ただなんといっても直木賞を受賞した「下町ロケット」が彼の名を世の中には知らしめた契機となった。その後の「陸王」や、テレビドラマとなっている作品によりその作家の実力は不動のものとなった。

さて本作品であるが、それらの作品よりもかなり前の作品である。初期の長編ではあるが、彼の作品としてはかなり完成度が高い。 主人公が5年前に亡くなった父が過ごした1963年を夢を見るように体現する。父は当時運送会社に勤めており「BT(ボンネットトラック)」を管理している。その中の一台「BT21」という最も古いトラックを巡り様々な事件が起こる。その事件に関係している主人公が現代で追いかけ、父の真実の姿を追い求める物語である。

ちょっとスティーブン・キングの作品を彷彿させる雰囲気がある。池井戸潤氏の作品を好きな方なら絶対気に入ると思う(もう読んでいるか(笑))。そうでない方もぜひご一読を。

(2018.09.23)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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【書籍】「君たちはどう生きるか」 吉野 源三郎 (著)  

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出版社:岩波書店 (1982/11/16)



漫画版の「君たちはどう生きるか」が大ベストセラーとのことで、一度読んでおきたいと思っていて、漫画を読むよりもまずは原書を読もうと思い、岩波文庫版を購入して読み終わった。

初出は1937年の戦前である。本書は1982年に岩波文庫として再販されたものだが、一部の書き換えはあるようだが、ほぼ原書のままである。物語はまさに戦前という雰囲気であるが、その時代では少し裕福である家庭に育つ中学生が主人公となっている。この主人公「コペル君」が中学生活を過ごす中で様々に経験することを、叔父さんとのやり取りを絡めながら淡々と物語にしたものである。

少年が青年、大人へと成長する過程で悩み、考える姿は、読んでいて清々しい感じもするが、やや時代に引きずられてしまい読みにくく思う面もある。しかし、友人たちとの約束を破ることになる事件に遭遇し悩む場面などはとても感慨深い。

この小説がどのように漫画化され、それがどうしてこれだけ評判になっているのか、興味深くなり、いずれ読んでみたいと思った次第である。

これから読もうと思う方は、まずは漫画版を読めば良いのかもしれない。

(2018.03.25)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】「残像に口紅を (中公文庫)」 筒井 康隆 (著)  

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出版社:中央公論社 (1995/4/18)



 本年最初の読了本。

 昨年12月に新聞下欄に出版社の広告が掲載されており、何故に30年前に出版された筒井康隆氏の本が今頃になって宣伝されているのだろうと不思議に思いながらも購入し、読み始めたもの。

 購入した本の帯に、「アメトーーク『本屋で読書芸人』で大反響、Amazonランキング第一位」と書かれていた。「アメトーーク」を知らなかったので、調べてみたら、テレビのお笑い番組で、芸人が本屋へ行き自身のお勧め本を紹介するというコーナーで、11月16日の放送でカズレーザーという芸人がこの本を紹介したということである。
 30年前のこの本を紹介するというのは異例のような気がするが、それにしてもこの放送で本がベストセラーになるというのも異例ではないか、テレビの影響は確かにそれほど大きいということであろう。

 内容であるが、筒井康隆氏の「実験小説」である。30年前頃、「虚人たち」や「大いなる助走」など、実験的でセンセーショナルな小説を発行していた時期の一冊である。当時、何冊かは著者のこの手の作品は読んでいたが、この小説は未読で今回初めて読んだもの。
 小説という虚構の中で、「音」が少しずつなくなっていき、その「音」を使った言葉がなくなるということが物語の中で続いていくのだが、一番最初に消える音が「あ」である。
 「あ」が消えることによって、主人公である作家の妻が夫を呼ぶときに困る姿が秀逸である。つまり普段最初に声をかける「あなた」がなくなってしまった訳である。

 小説の文章の中で消えた「音」を使わずに進めるという長編小説であるが、著者の語彙力には驚くべきものがある。今更ながら「筒井康隆恐るべし」である。

 一般的には文庫の最後に「解説」があるが、この文庫版には「解説」の代わりに「調査報告」として「論文」が掲載されている。この本を題材に大学の卒業論文に取り組んだ学生とその指導教授による論考になっているが、あまりにも言語学的な論文なのできちんと読むのには抵抗があったが、日本語研究にはとても興味のある小説となったようである。

 何れにしても久しぶりにかつて愛読した筒井康隆氏の小説を読むきっかけができ、続いて近著の著者自身が「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長編」と宣言された「モナドの領域」を読んでみることとし、中古本を購入した。

 これもまた楽しみ。

(2018.01.04)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】「定年ゴジラ (講談社文庫) 」 重松 清 (著)  

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出版社:講談社 (2001/2/15)



 「文藝春秋 10月号」の特集「定年後の常識が変わった」に、内館牧子、重松清両氏による対談が掲載さていた。内館牧子氏は「終わった人」、重松清氏は「定年ゴジラ」という著作があり、そのことを題材にした対談だった。
「終わった人」は発売当時に話題になっていたので、すぐに読んだのだが、本書の「定年ゴジラ」のことは知らなかったので、今回中古本を購入して読んだ。

重松清氏の著作を読んだことがなかったので著者の本来の作風はわからないが、本書自体はとても読みやすく、400ページを超える厚めの文庫本であるがとても面白く2日で読み終わってしまった。

物語は、1990年代半ばに銀行を定年退職した「山崎さん」という主人公が25年前に一戸建ての自宅を購入したニュータウンを舞台にして同じように定年退職した4人が展開する物語である。
当時は、60歳から公的年金が支給され、高齢者雇用促進法などない時代であるから、定年退職後は再就職することもなく自宅で何もすることがない生活になるわけだが、主人公が日課とし始める散歩から物語が始まる。

妻から「退屈しているんでしょ」と用事を言われると、「暇なだけで退屈しているわけじゃない」と言い返す場面など笑ってしまうが、なかなか全体的には笑えない場面も多い。


著者は本書の執筆時30代前半である。読み終えた後、なぜその若さでこのような定年後の物語を描こうとしたのかと興味があったが、自分の父親世代を描きたかったとあとがきに書かれていた。物語の中で主人公のことを「山崎さん」など登場人物それぞれを「さん」づけで呼んでいるが、著者の思いが出ているのかもしれない。

物語自体は、定年後の生活というよりも、高度成長期に造成され始めた東京近郊のニュータウン、そしてそこで暮らしてきた人々の悲喜こもごもの内容に重きが置かれているように思う。

出版後20年を経ているが決して褪せていない物語であった。最近の定年後の処し方ブームの一貫として読んでも決して色褪せないものを持っている。読んで良かったと思えた一冊である。


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