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カテゴリー「小説(電子書籍)」の記事一覧

【Kindle】「むらさきのスカートの女」 今村夏子 (著)  

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出版社: 朝日新聞出版 (2019/6/7)



 2019年上期の芥川賞受賞作。いつものとおり「文藝春秋」9月号を購入して読んだ。著者の印税収入には貢献しないことになるかもしれないが、読むという行為で貢献したい。

 Amazonの著者紹介を読むと、1980年生まれ、2010年だから30歳の時に書いた「あたらしい娘」という小説で太宰治賞を受賞している。改題した同作品を含めた中短編集「こちらあみ子」で三島由紀夫賞を受賞しており、芥川賞にも今回で3回目の候補ということであった。

 その上で今回受賞したということであれば女流作家とはいえ、そこそこ食指を伸ばしてみたくなるのではないだろうか。

 さて、単行本でも110ページという短編であるから通勤の2日間で読み終えた。
 しかし、読後最初の印象は「これが芥川賞受賞作?」である。
 作品は、近所に住むいつも「むらさきのスカート」を着ている女。その女の行動を逐一観察している「黄色いカーディガン」の女が「私」であり、物語の「話者」となっている。ところがこの話者による物語が現実に把握できる範囲を超えていることに読んでいて気がつく。となるとこの物語は主人公の話者を通してではなく、作者自身の語りなのかと思うとそうではない。それが物語が進むにつれて対象の女と話者が融合しているような感覚にとらわれる。

 これまでの作者の作品を読んでいないので、これまでもこのような作品なのかわからないが、私自身はちょっと受け止め難い作品だった。

 同雑誌の選評を読むと、登場するこの女性二人の描き方を評価している評が多かった。芥川賞というジャンルに私自身が合わなくなっているのかと考えてしまった。

(2019.08.29)

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 おすすめ度 ★★☆☆☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2019年08月16日(金)
☆ 価格  1,404円
☆ 読了日 2019年08月25日(日)




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category: 小説(電子書籍)

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janre: 本・雑誌

tag: Kindle  芥川賞 
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【kindle】 「傷だらけのカミーユ (文春文庫)」 ピエール・ルメートル (著), 橘明美 (翻訳)  

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傷だらけのカミーユ_convert_20170103081058

出版社:文藝春秋(2016.10.7)



先週のブログでは週刊文春が選ぶ今年のミステリー国内部門第一位に選ばれた「罪の声」を掲載した。今回は、同じ週刊文春のミステリー海外部門第一位となった「傷だらけのカミーユ」である。

 → こちらを参照

フランス・パリ警視庁のカミーユ・ヴェルーヴェン警部を主人公としたミステリー第三作である。
もともと著者ピエール・ルメートルが著した三作は、「悲しみのイレーヌ」、「その女アレックス」、そして本書「傷だらけのカミーユ」という順番になるのだが、日本ではどういうわけか「その女アレックス」が2014年に最初に出版され、2015年に「悲しみのイレーヌ」、そして今年本書が出版されるという順番になっている。
そして驚くことに、この三年間、毎年冒頭に挙げた週刊文春が選ぶミステリー海外部門の一位になっているのである。

私自身は昨年5月に「その女アレックス」を読んでいたのだが、その時は三部作ということを気にせず、単体のミステリーとして読んでしまった。今回改めて三部作の最終話として本書を読んだのだが、本書も実に面白く寝る間も惜しく読み進んでしまった。

確かに主人公カミーユが傷ついている。ここまで打ちひしがれることがあるのだろうかと作者を恨みたくなるくらいだが、そうはいっても事件はカミーユの行動の結果により解決する。それでも傷は癒えないものがある。

本書を読み、改めて「悲しみのイレーヌ」を読んでおかなければと思い、早速購入し、読み進めているところである。こちらも間違いなく面白い!

(2017.1.3)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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【Kindle】 「罪の声」 塩田武士 (著)  

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罪の声_convert_20161225211713

出版社:講談社 (2016/8/2)



週刊文春が選ぶ今年のミステリー国内部門第一位の作品である。その記事を見てキンドル版を購入。一昨日読み終わった。次の展開が気になり、どんどん読み進んでしまう内容であった。

内容は1984年というから既に30年以上前となってしまった「グリコ森永事件」を題材にしたフィクションである。この事件を題材にして30代の作者が現代を舞台にして書き上げたものであり、ダイナミックな想像により大変素晴らしいミステリーとなっている。

「グリコ森永事件」では、企業への脅迫電話に子供の声を録音したテープを使用しているが、著者はそこに注目し、この子供はいま何をしているのか、どのように生活しているのか、その子供の生涯にどのような形を残したのか、そこをメインに重層に物語を展開していて面白い。

結局、警察も企業も脅迫に振り回されたまま犯人は捕まらずに時効を過ぎているわけであるが、その事件に関しては忠実に再現しているため、ディテールを書き過ぎている嫌いはあるものの、そこにも興味を持ち、インターネットで事件の内容を調べてしまったりと、小説を読むだけでなく、改めて昭和の大事件を調べる機会ともなった。

ボリュームのある一冊ではあるが、昭和を振り返る意味でもぜひ読むべき一冊である。

(2016.12.25)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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