FC2ブログ
「自分を磨こう!」My favorite books ホーム »海外小説(単行本)
 
カテゴリー「海外小説(単行本)」の記事一覧

【書籍】「日の名残り ノーベル賞記念版」 カズオ イシグロ (著), 村上 春樹 (その他), 土屋 政雄 (翻訳)  

738



出版社:早川書房 (2018/4/18)



本書は、ノーベル文学賞受賞作家カズオ・イシグロの著書だが、既に文庫で発行されているものを早川書房が改めて受賞記念として新装丁したもの。先月、読売新聞に掲載されていた記事で村上春樹が解説を添えていることを知り、それだけでも読む価値がある と思い購入し読んだ初カズオ・イシグロ作品である。

内容は、1920年代からイギリスのとある邸宅というかホテルのような所の執事を勤めていた主人公の回顧から成り立っている。第二次大戦後に主人公が休暇を取り、以前一緒の邸宅で女中のチーフのような立場をしていて後に結婚して職を離れた女性に会いに行く数日に、昔のことを回顧する内容で進められている。

読んでいて感じたのは、訳者である土屋 政雄氏の翻訳が実に良い。読みやすいし、リズム、テンポがとても良く、スムースに読むことができる。また使っている語彙も的確であり、とても読みやすい翻訳で、こういう翻訳だと海外の小説でも違和感なく読める。

初めて彼の作品を読んだが、最初のうちはテンポがゆっくりで同じことの繰り返しのような内容にやや飽きてきた感もあったのだが、読み進むうちにそのテンポも心地よく感じられるようになってきた。それは、作品が醸し出す雰囲気が、いったん暗く感じるのだが、それが意外に安心感を得られるような雰囲気なのである。海外のことであり、時代背景をそのまま感じるのは難しい面もあるが、主人公の執事の心の動きがとてもうまく表現され、会話や風景描写などもとても丁寧なため、全体としてしっくりと受け止めることが出来るたのだと思う。

この作品は彼の長編3作目ということで、村上春樹氏も前2作を経てこの作品で「ブレークスルーした」と解説している。前2作に興味が湧いてきた。読んでみよう。

(2018.05.20)

-----------------------------------
 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
-----------------------------------

category: 海外小説(単行本)

thread: 読書メモ

janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

プロフィール

最新コメント

最新トラックバック

カテゴリ

▲ Pagetop