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【書籍】「遠い山なみの光」、「浮世の画家」 カズオ・イシグロ(著)  

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遠い山なみの光_convert_20180623220129    浮世の画家_convert_20180623220144
小野寺 健(訳)           飛田 茂雄(訳)
        早川書房 (2001/9/1)       早川書房(2006/11/1)



「日の名残り」を読み終わった後に、著者に興味が湧き、それ以前に発行されている長編を読もうと、「遠い山なみの光」、「浮世の画家」を続けて読み終わった。

どちらの作品も、第二次大戦後の日本を舞台にして、日本人を主人公として描いている小説である。主人公だけでなく、登場人物は全て日本人であるが、このような作品を例え出身が日本だからといえ、5歳から両親と共に渡英し、以降英国人となっているロンドン在住の作家が描こうとした意図は私には理解を超えているものがある。

「日の名残り」でもそうであったが、著者は、時代の流れと人の価値観がすれ違い、生きにくくなってしまう主人公を中心として、日常の生活を繰り返し描くことで人間の運命のようなものを描こうとしているのだろう。

後から読んだ「浮世の画家」でも戦前から名声を博した画家でありながら、戦中から戦後の、特に戦後の日本の価値観の変化に自分自身を変えられない気持ちをうまく描いていると思う。

そのことを訳者があとがきで「挫折を味わった老人の独善、自己呵責、その克服と、新しい前向きの人生の探求という、内面的葛藤のドラマをみごとに描ききった。その底に流れる著者の温かい人間愛は実に感動的である」と書いている。

ここまでの洞察は私には難しいが雰囲気をよく表しているように思う。

今回も翻訳はとても良いし、読みやすい。ただ、やはり外国の作家が描いた作品のせいだろうが、入り込み方は容易ではないと思う。英国ほどに日本で絶賛されることはないのはそのせいだろう。

ただ、私は興味を持って読むことができたし、今後も彼の著作を読んでみようと思っている。

(2018.06.23)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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category: 海外小説(文庫)

thread: 読書メモ

janre: 本・雑誌

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