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カテゴリー「村上春樹」の記事一覧

【書籍】「海辺のカフカ」 村上 春樹(著)  

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出版社:新潮社



 2002年(平成14年)9月に新潮社から刊行された村上春樹氏10作目の長編。

 村上春樹の長編作品は、当然のことながら発売直後に購入して読んでいる。そして読み終わると基本的にはもう一度読み直している。短編小説集は、直後にもう一度読むということはせずに、しばらくして読み返したくなったら読んでいる。これは意図して行なっていることではなく、自然に結果的にそうなっているのだが、「海辺のカフカ」についても当時二度読んだ記憶はある。

 当時の自分のおかれた状況を振り返ると仕事上それほど問題があったわけではないが、意外と慣れない仕事に携わっており、余裕がなかったように思う。その頃に読んだこともあるのだろうが、過去の村上作品に比較してあまり強く印象に残る作品ではなかったように記憶している。

 しかし、今回久し振りに読み直してみたら、とても印象深く感動を伴う読後感を持った。さまざまなプロットを含めてそれまでの村上作品の集大成のようなイメージもあり、そしてその内容はその後の村上作品を方向づける萌芽が含まれているように感じた。

 15歳の少年という彼の作品にしては珍しい主人公の設定だが、作品としてこれが20歳の青年では物語にならないことが理解できる。もちろん周囲の登場人物とのさまざまな接触が15歳にしては大人過ぎる印象もないわけではないが、この主人公の再生という作品の主題から見ると15歳という年齢が自然に思えてくる。

 今回は、蜷川幸雄演出の舞台を見るために読み直したのだが、読み直してとても良かったと思うし、舞台を見るのがとても楽しみである。舞台を見終わったら改めて感想を記録したい。

(2019.05.30)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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☆ 購入日  不明
☆ 価格  767円
☆ 読了日 2019年05月29日(水)




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【Kindle】「ロング・グッドバイ」 レイモンド チャンドラー (著),‎ 村上 春樹 (翻訳)  

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ロンググッドバイ_convert_20180318072312




村上春樹が日経新聞の1月4日、5日に寄稿した記事を読み、「よっしゃ読んでみるか」と(大袈裟ですが)一念発起し、2冊読見終わった。

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日本でもドラマ化されたりして著名な私立探偵「フィリップ・マーロウ」を主人公とした探偵小説である。ハードボイルド小説の先駆けとも言われ、トレンチコートを身につけた格好いい探偵が主人公的な印象を持っていた。
この「ロング・グッドバイ」は1953年出版。私が生まれる3年前、まだ日本では戦後の雰囲気、その前に読んだ「大いなる眠り」は1939年、戦前である。

確かに読み終わった印象としてはガッツリとして読み応えのある文章でストーリーも面白いのではあるが、如何せん、この時代のアメリカの文章は暗喩、隠喩が多く、回りくどい言い回しなどがどうも読むスピードを遅らせてしまう。

アメリカの小説でも作品によってはそうでないものもあるので、自分の好みだと思う。そのために時間がかかってしまい、面白さも減ってしまうように感じてしまった。

訳者は、原書の雰囲気を忠実に伝えようとしているのだろう。申し訳ありません、という感じ。

大いなる眠り_convert_20180318072332 
出版社:早川書房 (2017/9/30)


 なお、表紙はハードカバー出版、発行日はキンドル版を記載しています。


(2018.03.18)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】 「騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編/第2部 遷ろうメタファー編」 村上 春樹 (著)  

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  騎士団長殺し①_convert_20170411072728  騎士団長殺し②_convert_20170411081000 
【顕(あわわ)れるイデア編】      【遷(うつ)ろうメタファー編】




前回の記載から1ヶ月ほど経ってしまった。自分自身の定年退職という時期と重なり、様々な出来事や雑事に煩わされていたこともあるが、2月末から本書を読みはじめ、次に掲載するのはこの村上春樹の新作を記載しようと思っていたこともある。

先月中旬には一度読み終わっていたのだが、「1Q84」以来7年ぶりの長編であり、また内容的に実に圧倒される傑作との印象を私自身が持ったことからブログ掲載に至らず、そのまま現在再読している途中である。

そんな状態ではあるが、一度このブログには掲載しておかなければと思い記載することにした。

肖像画を書くことを生業としている主人公「私」はある日、「もうあなたとは暮らしていけない」と6年間結婚生活を送った妻から宣告され、その日から東北、北海道へ一人旅をする。その旅を終え、友人の父親である高名な画家が住んでいた小田原の山の上にある無人となった一軒家に一人居候する。そこで「免色(めんしき)」という名前の近くに住む男から肖像画の依頼を受け知り合うことをきっかけに様々な出来事に遭遇する。

その様々な出来事が本書の中心となる訳であるが、私は本作品について全体的な印象としてこれまでの村上作品にはなかった「温かさ」のようなものを感じ、読者へのメッセージも感じた。

これまで著者の作品に出てくる主人公は「クール」という言葉が適当ではないかもしれないが、やや冷たさを感じところがあった。そして作品の中の主人公だけでなく、作者自身が主人公を少し離れた距離に置き、読者に委ねるようなところがあったように思う。

今回の「騎士団長殺し」では、作者と主人公の距離はとても近く、そして寄り添っているように感じる。そのことが読者に本書との近さを感じさせ、いわば安心感を与えるような気がする。

もちろん、ストーリーは現実的でない内容を含んでいるし、作者独特の言い回しや表現があるため、そこにアレルギーを感じる読者もいるかもしれない。しかし私は、主人公「私」に対してとても親近感を覚え、最後まで読み進むことができた。

今回の作品について著者が様々なところでインタビューに答えていることもあり、作者の意図を作品以外から得られることもあるが、これまでの作品にない新たな村上春樹作品を感じることができる。この作品はこれまでの「村上ワールド」とは括れない作品なのではないだろうか。

いま再読しているが、私にとってさらに何度も読みたくなる作品となりそうである。

(2017.04.11)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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category: 村上春樹

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【書籍】 「ダンス・ダンス・ダンス(上)・(下)  (講談社文庫) 」 村上 春樹 (著)  

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出版社: 講談社 (1988/10/24)



久しぶりに本書を読んだ。昨年来、村上春樹の小説を読み直しているが、順番が前後しながら読んでしまっているが、GWの休みを利用して本書を集中的に読んだ。

発売当時(1988年10月)に読んでいるはずだが、今回読み始めてあまり印象に残っていないことが意外であった。

なぜだろうと思い、当時の状況を察するに新しい家庭を持ち、翌年明けには子供が生まれる、そんな時期でありながら職場の関係で2ヶ月近く研修センターに缶詰になっていた時期である。当時の天皇の健康が思わしくなく、世の中全体がやや沈んだ雰囲気だったように覚えている。
あるいはその前年に発売された「ノルウェーの森」の印象が強すぎて薄らいでしまったのかもしれない。先ほど調べてみたら1988年のベストセラー小説は「ノルウェーの森」でしたので。

そんな環境の中で読んだために印象がうすかったのか、それ以外のことなのか、はっきりはしないが今回読んでみてこの時期までの著者の作品から明らかに新しいステージに立った小説の印象を受けた。

もちろん本書は、デビュー作である「風の歌を聴け」から始まる初期三部作の後に続く「羊」にまつわるシリーズの最終作。いわば本書が出版されて「羊・四部作」と呼ばれるようになった所以である。

これまでの喪失感に満ちた作品から、本書は終盤において新たな再生を感じられる作品になっている。 とても心地良い読後感である。

羊をめぐる冒険」から本書までには、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」、「ノルウェーの森」という二つの大きな作品があり、そこを経由して本書に至ったことにも大きな意味合いがあると感じる。

読み終わり、改めて初期の三部作を読み直してみたいと思っている。急がずに読もう。
                 

(2016.05.08)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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【書籍】 「アンダーグラウンド (講談社文庫) 」 村上 春樹 (著)  

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出版社: 講談社 (1999/2/3)



文庫本で777ページという大作、今月初めから読み始め、先ほど読み終わった。普段は寝る前に少しずつ読んでいたのであるが、今日は休みを利用して一気に残りを読んでしまうことにした。

1995年は1月に娘が生まれた年であり、とても印象も深い。出版された当時に読んだはずだが、あまり印象に残っていない。
今回は、ずっしりと重い読後感がある。なぜ村上春樹はこの本を書こうとしたのか。それは「はじめに」とあとがきに当たる「目じるしのない悪夢」を読むと分かるが、しばらく外国で過ごし、そろそろ日本に帰ろうかと思っていた時期に起きた、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件。これらのことを通して改めて日本という国を考えることがテーマだったようである。

本書は、サリンの撒かれた地下鉄に乗車し被害にあった方々のインタビューをまとめたものであるが、一般的なルポルタージュとも雰囲気が異なっているように感じる。それは著者が被害者の語ることを忠実に再現していることなのではないだろうか。
もちろん一般的なルポルタージュに虚偽が溢れているわけではない。しかし、読んでいてそのまますっきりと体に馴染んでくるルポというのはなかなかない。それほどたくさんのルポルタージュを読んでいるわけではないが、週刊誌の記事なども含めれば世の中には様々なルポがある。比較するのもおかしいが、本書のルポルタージュは質が違うと思う。

このような事件を起こしてしまった日本の環境は、21年経った現在、問題は解決しているのだろうか。最近の熊本地震の報道のあり方が問題になっているが、日本社会は良い方向へ向かっているのだろうか。

(2016.04.30)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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