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カテゴリー「ビジネス書(Kindle版)」の記事一覧

【Kindle】「Think Smart 間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法」 ロルフ・ドベリ (著), 安原実津 (翻訳)  

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出版社: サンマーク出版 (2020/1/22)



 著者ロルフ・ドベリの著書を読んだのは2冊目。

 前作は「Think clearly」、「より良い人生を送るための思考法」について書かれたもので、「考えるより、行動しよう」、「謙虚さを心がけよう」など、考えるヒントになった一冊だった。
 その時に著者がどういう人なのだろうと調べたが、1966年、スイスに生まれ、大学卒業後にスイス航空の子会社で最高財務責任者、最高経営者などを歴任したとあり、パイロット出身のようである。その後に、35歳から執筆活動を行い、スイスやドイツの新聞や雑誌などにコラムなどを掲載してきたとのこと。それらのコラムをまとめて著書にしたものがベストセラーとなり、2019年に日本で出版された「Think clearly」、そして今年発売された「Think Smart」ともに日本でもベストセラーとなっている。

 内容は、前作同様に52のコラムから成っている。今回は、「Think Smart」というタイトルが示すように考え方について書かれたコラムだが、「錯誤」に陥らないための思考法をまとめたものである。

 印象に残った内容としては、まず最初の第1項目に掲げられている「新年の抱負が達成できないわけ【先延ばし】」である。まさにこれは私が毎年陥っている項目と言える。毎年のように目標を設定し、いつの間にか忘れてしまって達成されずに年の半ばを迎えて、ふと気がつくということが続いている。これに対しての処方箋は、「失敗しないために「期限」を上手に設定する」というものである。言われてみれば当たり前のことであるが、意外と考えていないことに気がつかされた。

 また、最近私のFacebookで紹介したのが、17「反射的に思いついた答えは疑った方がいいわけ【認知反射】」にある「3つの問題」である。簡単な問題が3つ紹介されるのだが、私は最初にその一つにつまづいた。「直感的に答えを出してしまった」のである。それが誤っていた。こういうことは意外と起こることだ。その処方箋のヒントは「「衝動をコントロールする力」が人生を決める」とされている。少しオーバーかもしれないが、直感的に判断して道を間違えることはありがちだ、「考えること」は「感じること」よりも骨が折れる、ともあったが、ここを疎かにしてはいけない。

 この投稿の下段に目次を掲載しておくが、「思い込み」による判断間違いを起こして、自身の歩むべき方向を間違えないよう、このような小さな提言に耳を傾けることも大事だ。そんなことを考えさせられた一冊であった。

(2020.05.10)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年04月02日(木)
☆ 価格  1,870円(Kindle版 1,515円)
☆ 読了日 2020年04月13日(月)





目次

・新年の抱負が達成できないわけ【先延ばし】
・「理由」がないといらいらしてしまうわけ【カチッサー効果】
・比較しすぎると、いい決断ができなくなってしまうわけ【決断疲れ】
・「自分は大丈夫」と錯覚してしまうわけ【注意の錯覚】
・自分でつくった料理のほうがおいしく感じるわけ【NIH症候群】
・第一印象が当てにならないわけ【初頭効果と親近効果】
・ボーナスがモチベーションを低下させるわけ【モチベーションのクラウディング・アウト】
・現状維持を選んでしまうわけ【デフォルト効果】
・自分より優秀な人を採用したほうがいいわけ【社会的比較バイアス】
・地元のサッカーチームを応援したくなるわけ【内集団・外集団バイアス】
・予定を詰め込みすぎてしまうわけ【計画錯誤】
・計画を立てると心が安定するわけ【ゼイガルニク効果】
・反射的に思いついた答えは疑ったほうがいいわけ【認知反射】
・あなたが自分の感情の操り人形なわけ【感情ヒューリスティック】
・最適なものを見逃す場合が多いわけ【選択肢の見逃し】
・数字は机上で改善できてしまうわけ【ウィル・ロジャース効果】
・小さな店舗が突出して見えるわけ【少数の法則】
・「拾ったお金」と「貯めたお金」で扱い方が変わるわけ【ハウスマネー効果】
・統計の数字よりも、小説のほうが心を動かすわけ【心の理論】
・私たちが「新しいもの」を手に入れようとするわけ【最新性愛症】
・目立つものが重要なものだと思ってしまうわけ【突出効果】
・占いが当たっていると感じるわけ【フォアラー効果】
・下手に何か言うくらいなら、何も言わないほうがいいわけ【無駄話をする傾向】
・「王者」になったほうがいいわけ【ねたみ】
・成功の決定的な要因が「運」であるわけ【スキルの錯覚】
・敵には情報を与えたほうがいいわけ【情報バイアス】
・ニュースを読むのをやめたほうがいいわけ【ニュースの錯覚】
・頭のスイッチを切ったほうがいいわけ【考えすぎの危険】
・「最後のチャンス」と聞くと判断が狂うわけ【後悔への恐怖】
・あなたの船を燃やしたほうがいいわけ【退路を断つことの効果】

――など52章




category: ビジネス書(Kindle版)

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【Kindle】「サイバーエージェント 突き抜けたリーダーが育つしくみ」 上阪徹 (著)   

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出版社: 日本能率協会マネジメントセンター (2020/2/7)



 本書は、藤田晋氏がグループのトップを務める「サイバーエージェント」の仕組み、特に人をどのように使い、育てているのかということについてのルポである。
 サイバーエージェントは、1998年創業、広告代理業務から開始し、特にインターネット上の広告を手がけたのをきっかけに業容を広げ、その業容ごとに会社を設立するなどしてグループが広がっていく。現在は日本で第1位の規模のブログサービスであるアメーバブログなどのメディア事業、ゲーム事業などを主体として、グループ全体で5,000名を超える従業員を抱える。

 これだけ大きな規模となっても進化が衰えない新規のスタートアップ企業は珍しい。その源泉は何か、それは藤田晋の方針が浸透した会社の人材育成の方針ではないだろうか。本書を読み、そのことが改めて感じられた。
 それをよく言い表している表現が掲載されていた。それが「実力主義型終身雇用」という藤田の方針である。「挑戦もできて、一方で安心もできる環境を作っていこう」というものだそうである。「終身雇用」は終わったと言われている時代に反旗を翻すかのように「終身雇用」「安心できる雇用」を謳うことは生半可ではない。失敗を責めない文化が育まれている、とは言え、会社として成長していくことは必須のこと。そのような会社の環境を作り上げている。簡単に真似のできる経営ではないが、底流にある考え方は参考にできるのではないだろうか。

 各章の最後にポイントがまとめられているが、そこを読み返すだけでもとても参考になる。サイバーエージェントの成功の秘密を垣間見ることができる一冊である。

(2020.05.07)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年04月14日(火)
☆ 価格  1,650円(Kindle版 1,336円)
☆ 読了日 2020年04月23日(木)






目次

はじめに なぜサイバーエージェントでは、人材が育つのか?

第1章 29歳で取締役、24歳で子会社社長
 ―大胆な「若手抜擢」はどう行われたか

 入社8年目、29歳で取締役になった人物の素顔
 希望していなかった仕事に配属
 2年目に年上部下4人のマネージャー
 「統括をやらせてください」と立候補
 執行役員に抜擢の理由は「悪く言う人がいないから」
 「役職が人を育てる」が企業文化
 入社4年目、28歳で子会社の社長になった社員
 社長と取締役は圧倒的な差がある
 社長としての最初の仕事が大胆な人員整理
 意思表明に応える会社
 取締役は上がりのポジションではない
 実力主義型終身雇用

第2章 人材を育てるには経験させよ
 ―会社の成長を支えてきたのは「人事の考え方」

 大事なことは、会社に合う人かどうか
 「社員を大事にして長く働ける会社にしよう」
 「決断経験」が得られる良質な環境を作る
 意思表明をすれば、本当にチャンスが増える
 制度ではなく、風土となる事例を作る
 人事は人事部の仕事だけではなく社員全員の仕事

第3章 子会社115社。今も続々と
 ―ここまで「新規事業」が生み出されていく仕組み

 1000件の新規事業プランが出るコンテスト
 「いろんなチャレンジをしてみたい」が事業アイディアを生む
 事業アイディアよりも、人柄を見て決めたりもする
 大きな投資案件新規事業は「あした会議」で決定する

第4章 2019年卒の新人女性社長!
 ―内定者なのに社長になれてしまう理由

 インターンから選抜され、社長にプレゼン
 100案のアイディアから1つに結実
 新人社長が「採用」したのは、内定中の同期2人
 無茶なことをさせる会社だから学びになる

第5章 昇格、撤退、競争意識
 ―2つの管理制度で事業を成長させる

 経営人材育成システム「CAJJプログラム」
 新規事業マネジメントシステム「スタートアップJJJ」
 内定者起業の2年後に待っていた辛酸
 スタートアップ子会社の評価は時価総額
 「起業人材」をサポートする充実の体制
 大きな勝負ができる経営者を作る環境

第6章 修羅場と失敗経験を大事にせよ
 ―「決断経営」をいかに作るか

 厳しい時代の経営を任せられる人材とは
 プラットフォームビジネスに可能性を見出した法律漬けの学生
 入社3年目で、いきなり事業責任者
 設立3カ月で、幹部が3人、会社を去った
 周囲に頼りだすと組織が変わった
 これまでの自分を壊すために入社した会社
 「見栄を張るヤツに大役を任せない」の衝撃
 本気度を試された言葉「社長のつもりでやって」
 それでも社長をやらせてほしい
 2つの事業をつぶしてしまった男
 自分のやりたいことは全部捨てた
 どうしてもやりたいことは貫いた
 巨額の資金調達がそんなに凄いことなのか
 事業に失敗した社長が活躍してくれている

第7章 優秀さより「素直でいいヤツ」
 ―すべてはこだわりの「採用」から

 「能力の高さより一緒に働きたい人を集める」
 インターンシップで入社後のミスマッチを防ぐ
 「私のキャリアは、失敗だらけなんです」
 苦しいときに逃げない。自分から発信する 

第8章 社員の「才能開花」を支援する仕組み
 ―「適材適所」を生む社内キャリアエージェント

 毎月、全社員のコンディションを問う「GEPPO」
 「GEPPO」の情報が抜擢を呼び込むことも
 社内求人サイト「キャリバー」と社内異動公募制度「キャリチャレ」
 本人はどうしたいのか、が一番大事

第9章 あらゆる場所で人材を見る幹部
 ―ポテンシャル人材を常に探している

 幹部が社員に会って一次情報を取りに行く
 入社4年目で最年少執行役員になった社員
 年上の部下との向き合い方
 本気で社員に機会を与えにいこうとしている
 日頃の「意思表明」で得た海外赴任
 ベトナムのネット産業に詳しい日本人はいない
 どの上司も「何をやりたいの?」と聞く
 子会社社長としての生みの苦しみ
 若くして活躍できる会社
 役員とのランチ1カ月後の打診
 大きくドンと伸びることは難しかった
 東証一部上場企業と合弁会社を作る

第10章 ほめて活性化する文化
 ―「らしさ」を語り継いで企業文化を醸成していく

 組織を活性化させるための専任部署
 「就職」ではなく、「就社」したくなる企業を目指す

おわりに 言葉に徹底的にこだわっている会社


category: ビジネス書(Kindle版)

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【Kindle】「座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」」出口 治明 (著)  

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出版社: KADOKAWA (2019/12/7)



 知人から紹介されて読んだもの。知人曰く「自社のリーダーがまさに踏まえるべきことが書かれている」とのこと。この会社だけでなくリーダーとして踏まえるべき内容だと思った。

 もともと本書の著者の出口治明氏の本は何冊か読んでいる。それまで勤めていた生命保険会社を58歳で退職し、それからライフネット生命を起業してから著名になった人であるが、その年齢からこんなに著名になった人などいるのだろうかと思うほど、随分以前から活躍していたような気がする。1948年生まれというから今年72歳になるが、ライフネット生命企業から14年である。そのライフネット生命も2006年に起業し、2013年には後継者に譲り、2017年には取締役を辞任している。

 特に起業後に著書を多数出版しているが、若い学生時代から膨大な読書量、特に歴史に造詣が深く、自身の経験に基づく「仕事」、「生き方」、「リーダーシップ」などの著書が多い。

 以前読んだ著書に「人を育てるのは、読書、旅、人」という言葉があるが、著書を読むたびにその言葉がしっくりとくる。

 本書の初めに「名君と呼ばれる人の『2つの絶対条件』」として
  ① 「権限の感覚」を持っていること
  ② 臣下の「諫言」を得たこと
 が紹介されている。

 ①は、仕事をいったん部下に任せたら、それは部下の仕事であり、そこに口を出してはならないという仕事を任せることのルールである。簡単なようでなかなかできないことではないだろうか。ついつい口を出してしまう。そして上司から口を出されれば部下は「だったら自分でやればいいだろう」と思ってしまう。任せた上でうまくいかなければ責任を自分で取る、そこまでの覚悟が「任せる」ことには必要だということだろう。

 ②は、皇帝であっても決して万能ではなく、欠点や過失を指摘されることを望み、喜んで聞き入れる姿勢が大事だということである。上司になるとその地位にあぐらをかいてしまい、何か言われることを好まなくなってしまう、そして部下も上司のそのような姿勢を見て、何も言わなくなってしまう。結果的に上司は「裸の王様」になり、組織は成長どころか衰退していくことになる。

 上記の内容をベースとして様々な内容が紹介されている。
 古典、それも中国の古典となるとなかなか手にしないものだが、本書は解説がわかりやすく、とても参考になる。

 著者が「普段は価値の押し付けが嫌いなのでこの本を読めと人に勧めることはないが、例外的にこの「貞観政要」だけは読むことを勧めた」と書かれているが、原典はなかなか読めないので、本書のような解説本は非常にありがたい。必読の一冊だと思う。

(2020.03.08)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年02月12日(水)
☆ 価格  946円(Kindle版 851円)
☆ 読了日 2020年02月18日(火)






【内容紹介】

稀代の読書家が、いつも座右に置く中国古典とは?

「僕は毎日、この古典に叱られています」(著者)――
中国は唐の2代皇帝・太宗による統治(貞観時代の政治)の要諦が凝縮された『貞観政要』。
クビライ、徳川家康、北条政子、明治天皇……と時代を超えて、世界最高のリーダー論として読み継がれている古典である。
本書では、稀代の読書家であり、『貞観政要』を座右の書にする著者が、その内容とポイントを、具体的に解説。
全組織人、必読の中国古典。


【目次】

 序 章 「世界最高のリーダー論」はどうして生まれたか
  時代背景(1) 「中国」の成り立ちを知ると、古典がわかりやすくなる
  時代背景(2) 認められるリーダーには「正統性」が必要
  時代背景(3) 組織を安定させる「ロジック」とは
  時代背景(4) 中国の正史には、必ずしも事実が描かれるわけではない
  時代背景(5) 名を残したいという「真っ当な欲望」が名君を生んだ
  ……他

 第1章 リーダーは「器」を大きくしようとせずに、中身を捨てなさい
  リーダーは、部下に支えられる“寄生階級”である
  「何もしないリーダー」を理想と考えよ
  この「秩序の感覚」を持っていますか?
  上司は「人間として偉い」わけではない。部下と「機能が違う」だけ
  「自分がしてもらいたくないこと」は相手にしない 
  ……他

 第2章 「部下の小言を聞き続ける」という能力
  明君の条件――「複数の人の意見」を聞いているか
  指導する側にも、される側にも必要な「覚悟」
  上司を諫める部下がいなければ、組織は滅びる
  リーダーは、この「3つの鏡」を持ちなさい
  「不機嫌な表情を見せてはいけない」現実的な理由
  ……他

 第3章 「いい決断」ができる人は、頭の中に「時間軸」がある
  自分の身を修められない人は、組織を治められない
  あらゆる「大事」は、「小事」から起こる
  悪いことは“ただちに”やめる、善いことは“ただちに”行動する
  「一度、口にした言葉」は取り消すことができない
  「深く、広く」考え、「早く、正しく」決断する法
  ……他

 第4章 「思いつきの指示」は部下に必ず見抜かれる
  「思考」と「感情」は、思っている以上に密接
  「どっしりと構えて待つ」という仕事がある
  「読書」「筆法」「人との交流」――人物を大きくする3要素
  「疾風、勁草を知る」――なびく人、なびかない人
  「信のない言葉」では人を動かせない
  ……他

 第5章 伝家の宝刀は「抜かない」ほうが怖い
  たんたんと、「言うべきこと」を言うコツ
  一人で行う判断には「質的な限界」がある
  「いい部下が見つからない」――それは言い訳です
  「少数」にするから、「精鋭」が生まれる
  組織内のルールはシンプルなほどよい

 第6章 有終の美は「自分」にかかっている
  「創業」と「守成」は、どちらが難しいか
  君主は「舟」であり、人民は「水」である
  有能な「かつての敵」を、側近として登用できますか?
  2代目で国家が乱れたら、それは「臣下の責任」
  あらゆる組織の急務は、後継者を選ぶこと
  ……他


category: ビジネス書(Kindle版)

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【Kindle】「知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)」 立花 隆 (著)  

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出版社: 文藝春秋 (2020/1/20)





 立花隆という名前を知ったのはいつだろう、と思ってしまう。ぼんやりとした記憶では高校時代に文藝春秋に掲載され始めた「田中角栄研究」なのだろう。当時の総理大臣が逮捕されるというロッキード事件との関連で記憶に深く残っているのかもしれない。
 その後は、仕事柄、「中核vs革マル」なども読んだが、これは実は「田中角栄研究」よりも前の著作であった。随分と早い時期から多くのボリュームのある取材に基づく著作を続けていたものだと思う。

 今回、そのような氏自身の執筆活動を振り返った著作が出版されたのを知り、改めて立花隆という人をよく見てみようと思い、本書を読んだ。

 読み終わって思うのはやはりこの人は天才なのではないかと思う。若い時からの着眼力、行動力、先見性などが並外れている。過去の日本の中に様々なジャーナリストがいるが、後世に「この人」と言われる筆頭であろう。

 本書によりその執筆の歴史を理解することができるが、先ほど挙げた「中核vs革マル」、「田中角栄研究」や「日本共産党の研究」などの政治的色彩の濃いノンフィクションが出版された70年代から、80年代には「宇宙からの帰還」などのいわゆる「宇宙もの」と呼ばれる著作から、86年の「脳死」をはじめとした医療関係のノンフィクションに移っていく流れ、そして90年代以降のインターネットの発展に伴い取材対象がさらに科学、医療、など範囲が広がっている。

 著者は2020年5月に80歳となるが、本書にも書かれているその旺盛な好奇心は衰えることを知らない。

 そして晩年となって「死」を扱うようになり、2015年に出版された「死はこわくない」に著された「死」に対峙する気持ち、姿勢。本書の中でも自身の癌の羅感に伴って「死がこわくなくなった」という境地。とても感慨深い内容だった。

 氏の著作はハードルが高いという先入観があったが、本書は対談をもとに書かれているので読みやすく、今読んでおいて良かったと思える一冊であった。

(2020.03.08)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年01月29日(水)
☆ 価格  1,045円(Kindle版 1,000円)
☆ 読了日 2020年02月08日(土)





【内容紹介】
 立花隆を要約するのは非常に困難である。まさに万夫不当にして前人未踏の仕事の山だからだ。時の最高権力者を退陣に追い込んだ74年の「田中角栄研究ーその金脈と人脈」は氏の業績の筆頭として常に語られるが、ほぼ同時進行していた『日本共産党の研究』で左翼陣営に与えた激震はそれ以上のものがある。
 『宇宙からの帰還』にはじまるサイエンスものでは、『サル学の現在』でサルと人間に細かく分け入り、『精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』でノーベル賞科学者の利根川進に綿密な取材を施し、『脳死』では安易な脳死判定基準に鋭く切り込んだ。科学を立花ほど非科学者の下に届けてくれた書き手はいない。浩瀚な書物である『ロッキード裁判とその時代』『巨悪vs言論』『天皇と東大』『武満徹・音楽創造への旅』は余人の及ばない仕事であり、また旅を語っても、哲学、キリスト教、書物を論じても冠絶しておもしろい。
 立花隆はどのようにして出来上がったのか、そして何をしてきたのかーー。それに迫るべくして、彼の記憶の原初の北京時代から、悩み多き青春期、中東や地中海の旅に明け暮れた青年期、膀胱がんを罹患し、死がこわくなくなった現在までを縦横無尽に語りつくしたのが本書である。彼が成し遂げた広範な仕事の足跡をたどることは、同時代人として必須なのではないだろうか。


【目次】
 第一章 北京時代と引き揚げ体験
 第二章 幼少時代から高校まで
 第三章 安保闘争と渡欧前夜
 第四章 はじめてのヨーロッパ
 第五章 文藝春秋時代からプロの物書きへ
 第六章 二つの大旅行
 第七章 「田中角栄研究」と青春の終わり
 第八章 ロッキード裁判批判との闘い
 第九章 宇宙、サル学、脳死、生命科学
 第十章 立花ゼミ、田中真紀子、言論の自由
 第十一章 香月泰男、エーゲ、天皇と東大
 第十二章 がん罹患、武満徹、死ぬこと



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【Kindle】「サラリーマンの力 (インターナショナル新書)」 亀渕 昭信 (著)  

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出版社: 集英社インターナショナル (2018/2/7)



 新年恒例の賀詞交換会に参加した際に本書の著者である亀渕昭信氏が来賓として参加されており、その際に来賓代表として話された挨拶を聞いた。

 とても印象深い挨拶だったので、その後にインターネットを検索したところ本書を知り、早速、Kindle版を購入して読んだ。

 亀渕氏のことは中学、高校の頃に聞いていた深夜放送のオールナイトニッポンのパーソナリティとして知っていたが、パーソナリティを担当された後にニッポン放送の社長になられており、その時期が折しもライブドアによる敵対的買収の対象になっていた時期ということを知り、波乱万丈な職業人生だったのだろうと考えさせられた。

 亀渕氏はもともとニッポン放送にアルバイトとして採用になり、そのまま転職することもなく社長にまでなってしまったそうで、その亀渕氏が自己の職業人生を振り返った著書ということでとても興味深く読むことができた。

 社会人になって入社3年頃で転職を考える若者が多いが、理由を聞くと「やりたいことではなかった」、「歯車になっている」などということが多い。あるいは「嫌な上司がいる」という話も聞く。しかし、どこにだって嫌な上司はいるし、多かれ少なかれ組織に入れば誰だって歯車だ、どうせなら輝く歯車になることを考えれば良いと言う。サラリーマンを「気楽な稼業」とも言うが、その中で何か自分を輝かせるものを見つけ、そしていずれ卒業を迎える時の準備期間とすれば良い、と言う。それを「サラリーマン力」と著者は呼んでいる。

 昨年11月に発売された前川孝雄氏の「50歳からの逆転キャリア戦略」に通じるものを感じたが、本書には目次の項目とは別に「サラリーマン力を高める三〇箇条」が記載されている。折角なので、それを掲載しておく。

 1.どこに行ってもダメな上司はいる。
 2.ダメな上司がいるからといって会社を辞めるのはやめよう。
 3.あなたも歯車、社長も歯車、だったら輝く歯車になろう。
 4.会社を使って自分のやりたいことをやろう。
 5.会社を一つの有機体として見れば、やりたいことがきっと見つかる。

 6.見逃すな。チャンスはその辺に転がっているものだ。
 7.人生の師になり得る尊敬できる先輩を見つけよう。
 8.好奇心をいっぱいにして世間の風を知ろう。
 9.「やりたいこと」をアピールしよう。
 10.自信を持てる仕事に出会ったら、それを手放すな。

 11.企画書は馬に食わせるほど書こう。企画は腐らない。
 12.競争相手と戦いながら、業界全体のパイを増やす努力をしよう。
 13.互いが同じ目標に向かっていれば喧嘩も良い結果を生むことがある。
 14.人真似でも良い。ただしオリジナルを生み出す努力を忘れずに。
 15.優れたドタ勘は、その場の思いつきでは生まれない。

 16.「イヤだ、イヤだ」のストレス地獄から脱出しよう。
 17.部下ができたらもっと勉強しよう。経験だけでは統率不能だ。
 18.ダメを出されたところからチャンスは生まれる。
 19.派閥争いでは、仕事派でいよう。
 20.給料の額は自分の評価でもある。

 21.会社は社会の一部である。世の中のために働いているのだ。
 22.どんな商品でも時代に合わせて変化していかなければ必ず終わりがくる。
 23.会社は生き物。業態は時代によって変化する。 
 24.多角経営の時代、サラリーマンにより活躍できる時代が到来した。
 25.デジタル時代は一寸先が闇だが、生まれ変われるチャンスでもある。

 26.定年は新たなスタート。新しいことを学ぶチャンスだ。
 27.サラリーマンが進退を決められるのは辞表を書くときだけだ。
 28.新しい仕事が次のチャンスを生む。
 29.自分の趣味、コレクションは大切に。使えるときがきっとくる。
 30.人生、役に立たないことは何もない。

(2020.02.23)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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☆ 購入日 2020年01月20日(月)
☆ 価格  770円(Kindle版 693円)
☆ 読了日 2020年01月25日(土)



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サラリーマンの力 [ 亀渕 昭信 ]
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【内容紹介】

 会社という組織に属しながら、いかに創造力を発揮すべきか?
 オールナイトニッポン伝説のDJにして、ニッポン放送元社長という、会社員人生を極めた著者が考える、ポジティヴでまったく新しいサラリーマン論。
 ラジオ業界のエピソードを交えながら、「企画力」と「営業力」の重要性、社内政治の乗り切り方、グローバル社会における企業の意味、会社と共に生き、チャンスをつかむ方法を伝授する。

 吉田拓郎氏推薦!
  「カメちゃんは僕の少し前を行くイメージなのだ」


【目次】

 プロローグ 「歯車」じゃない人間なんていない
 第一章 僕はどうやって「サラリーマン」になったのか
 第二章 サラリーマンの「企画力」と「営業力」
 第三章 上司、部下、出世競争……人間関係の乗り切り方
 第四章 時代の変化をどう生き抜くか
 第五章 サラリーマンが「卒業」するとき



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