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2016年04月の記事一覧

【書籍】 「アンダーグラウンド (講談社文庫) 」 村上 春樹 (著)  

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出版社: 講談社 (1999/2/3)



文庫本で777ページという大作、今月初めから読み始め、先ほど読み終わった。普段は寝る前に少しずつ読んでいたのであるが、今日は休みを利用して一気に残りを読んでしまうことにした。

1995年は1月に娘が生まれた年であり、とても印象も深い。出版された当時に読んだはずだが、あまり印象に残っていない。
今回は、ずっしりと重い読後感がある。なぜ村上春樹はこの本を書こうとしたのか。それは「はじめに」とあとがきに当たる「目じるしのない悪夢」を読むと分かるが、しばらく外国で過ごし、そろそろ日本に帰ろうかと思っていた時期に起きた、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件。これらのことを通して改めて日本という国を考えることがテーマだったようである。

本書は、サリンの撒かれた地下鉄に乗車し被害にあった方々のインタビューをまとめたものであるが、一般的なルポルタージュとも雰囲気が異なっているように感じる。それは著者が被害者の語ることを忠実に再現していることなのではないだろうか。
もちろん一般的なルポルタージュに虚偽が溢れているわけではない。しかし、読んでいてそのまますっきりと体に馴染んでくるルポというのはなかなかない。それほどたくさんのルポルタージュを読んでいるわけではないが、週刊誌の記事なども含めれば世の中には様々なルポがある。比較するのもおかしいが、本書のルポルタージュは質が違うと思う。

このような事件を起こしてしまった日本の環境は、21年経った現在、問題は解決しているのだろうか。最近の熊本地震の報道のあり方が問題になっているが、日本社会は良い方向へ向かっているのだろうか。

(2016.04.30)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】 「ラオスにいったい何があるというんですか?」 村上 春樹 (著)  

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ラオス_convert_20160424211029

出版社: 文藝春秋 (2015/11/21)



昨年11月に刊行され、電子書籍版で購入し読んでいたもの。最後まで読み終わらないでそのまま積読本になっていたのだが、今回の熊本地震をきっかけに最終章の熊本への紀行文をもう一度読み直した次第である。

著者は過去にも旅行記を数冊出版しており、その表現力の素晴らしさで読むものを楽しませてくれ、彼の読者にとって小説だけでない楽しみを与えてくれていたが、ここしばらく旅行記の出版がなく、久しぶりの出版である。

表題のラオス紀行は今回は置いておいて、熊本紀行である「漱石からくまモンまで」について記載することとする。

2015年6月の梅雨の時期に熊本へ行かれた内容が書かれているのであるが、なぜ熊本へ行ったのかは本書を読むか、文芸春秋社のクレアという雑誌のHP(下で紹介する)を参照していただければと思うが、それから1年も経たない時期に今回のような地震に被災されることが想像すらできないことである。そんな梅雨の雨の多い時期に訪れたことを著者は次のように表現している。

「おそらくはそんな雨降りのおかげで、熊本の街は見事に鮮やかな緑に染まっていた」

毎日のようにテレビ画像に映し出される現在の熊本の情景を思うと本当に現実の厳しさを思い知らされる。

また、章題となっている「漱石」については、熊本市内に一時期居住していた家がほとんどそのまま残されており、その二階の書斎から庭を眺めた写真も掲載されているが、芭蕉の樹が雨に映え青々と茂っている。この住居は今回の地震の被害には合わなかったのだろうか、どうしてもそういうことを考えてしまう。

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また、八代市の日奈久温泉に宿泊した後、阿蘇に向かうのであるが、その途中に次のような光景を目撃する。

「阿蘇では、県道11号線(いわゆる「やまなみハイウェイ」)沿いにあっと驚く不思議な光景を見かけた。見渡す限り、大小の緑の樹木が動物のかたちに綺麗に刈り込まれているのだ。これは「トピアリー」と呼ばれている園芸細工だが、その数おおよそ700本。なにしろ大変な数だ。…」

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県道11号というのは阿蘇山の北側の大分県につながる街道であるが、この情景はいまどうなっているだろう。考えざるを得ない。被害を受けていなければ良いのだが。

全体の感想を書くべきブログではあるが、今回は震災を受けた熊本の平常の美しさをいくつも紹介してくれた村上春樹氏の著書を紹介したいと思った次第である。

最後に、本稿が掲載された文芸春秋社のクレアのHPを紹介しておきたい。

「CREA〈するめ基金〉熊本へのメッセージ」 村上春樹

(2016.04.24)

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 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】 「ノルウェーの森」 村上春樹(著)  

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出版社: 講談社 (1987/9/10)



今年初めから村上春樹作品を再読し始めて数冊目。先日、久しぶりに「ノルウェーの森」を読み終わった。

この本は、1987年(昭和62年)9月発売であるが、発売と同時に読んだ記憶がある。その後、もう一度読んだと思うので、今回で3回目だと思う。大まかなストーリーは覚えてはいたが、ディテールについてはさすがに記憶違いも多々あり、そうだったかと思うような場面もあった。

いずれにしても村上春樹の作品はこの「ノルウェーの森」で方向性が変わったと改めて思った。後に、河合隼雄氏との対談集に「あの小説の中ではセックスと死のことしか書いていない」と発言しているが、その点についてもそれまでのドライなタッチとは一線を画していると思われる。

当時、この本を勧めた女性に「途中まで読んだけどいやらしくて読むのが嫌になった」と言われたことを覚えているが、確かに今回読んでみても「ここまで書く意味は何だ」と思わせる面はある。ストーリーテラーとして新たな境地に立った著者の主張についていけない読者は、ブームとなって購入はしてみたけれど、途中で投げ出していたかもしれない。

今回、村上春樹作品を続けて読んでいくことで何となく以前よりは近づけたような気がする。この後に続く「ダンスダンスダンス」を読むのが楽しみになってきた。

(2016.04.17)

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 読みやすさ ★★★★☆
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【書籍】 「日本のイノベーションのジレンマ」 玉田 俊平太 (著)  

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出版社: 翔泳社 (2015/9/12)



何がきっかけだったか忘れたが、「イノベーションのジレンマ」という本を読もうと思った。新聞か雑誌の記事だったと思うが、Amazonで探してみたところKindle版でも2,000円近くするので図書館で借りて読むことにした。


借りて来てあまりにもボロボロの書籍だったが、それだけ大勢の人が借りたのだろう、読む価値があるのだろう、と思って読んだが、内容はとても興味を持てるものであった。
企業は常に新しい進化を求めて前へ進もうとするわけだが、そのことが自分たちの事業の首を絞めてしまうことがあるという趣旨であり、様々な企業の事例を紹介している。
この中で特に印象的だったのは、記録用デバイスの変化であった。私自身も最も古いデバイス(当時はデバイスとは言ってなかったと思う)は、8インチのフロッピーディスクである。それが5インチ、3.5インチとサイズが小さくなり、その後、USB、SDなどより一層小さいものになっていった。このことで製作していた企業に影響がないわけがない。これが「ジレンマ」である。

この本では過去の事例を捉えたものであったが、今回紹介した「日本のイノベーションのジレンマ」については、「イノベーションのジレンマ」を日本に紹介した平田氏が執筆した書籍であり、日本の中でどのようにしていけば、このジレンマを超えられるのか、ということについて提唱している書籍であり、大変読みがいがある。

前段のクリステンセンの書籍を読まなくてもこちらだけでも読む価値のある一冊である。

(2016.04.10)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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