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2018年01月の記事一覧

【書籍】「SHOE DOG(シュードッグ)」 フィル・ナイト (著),‎ 大田黒 奉之 (翻訳)  

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出版社:東洋経済新報社 (2017/10/27)



 昨年10月末に発行以来ベストセラーが続いている一冊、ナイキを一代であそこまでのブランドにした共同創業者フィル・ナイトの自伝である。共同創業者とはいえ、靴のメーカーを作り上げたという点では彼がまさに創業したということがよくわかる。

560ページに及ぶ厚い書籍であるが、一週間ほどで読み終わった。読みやすいというよりも、著者の波乱万丈な人生を一緒に追いかけるように読み進んだという感じである。

560ページもあるが、「ナイキ」というブランド名が登場するのはちょうど半分くらいのところからである。それまでは「ブルーリボン」という会社名が使われているが、その間は彼の会社と日本のメーカーとのやりとりが中心である。

物語は1962年、著者が24歳のときに世界旅行へ出かけるところから始まる。その途中で日本に立ち寄り、靴メーカーとの出会いがあるのだが、日本は昭和30年代、東京オリンピックの2年も前の頃である。当時はまだ競技ごとのシューズなどがない時代だろう。その頃に、日本のメーカーの靴をアメリカで販売しようとし始める訳である。そしてそのメーカーから裏切られて新たに立ち上げたブランドが「ナイキ」だったわけである。本書の中で語られるそれがちょうど本書の半分1971年のことである。

本書は自伝であるので、客観的な物語ではなく、著者が自身の人生を自分で語っているわけであるが、その物語はとても主観的で自分中心である。最後に自身を振り返る場面が出てくるが、それまでは悩むことはあっても後悔はしていない。その潔さと言ってもとても危ういわけであるが、信念が成功に結びついていく様子は心地よい。いつの間にか著者と一緒に人生を歩んでいる。

とてもハードな一冊ではあるが、読後感はとても気持ち良い。アメリカンドリームのような人生ではあるが、その裏にある著者の努力、信念はすばらしい。

東洋経済新報社特設ページ
 https://store.toyokeizai.net/user_data/s/p/books/shoe-dog/

(2018.01.24)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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category: ビジネス書籍

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【書籍】「残像に口紅を (中公文庫)」 筒井 康隆 (著)  

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残像に口紅を_convert_20180104095905

出版社:中央公論社 (1995/4/18)



 本年最初の読了本。

 昨年12月に新聞下欄に出版社の広告が掲載されており、何故に30年前に出版された筒井康隆氏の本が今頃になって宣伝されているのだろうと不思議に思いながらも購入し、読み始めたもの。

 購入した本の帯に、「アメトーーク『本屋で読書芸人』で大反響、Amazonランキング第一位」と書かれていた。「アメトーーク」を知らなかったので、調べてみたら、テレビのお笑い番組で、芸人が本屋へ行き自身のお勧め本を紹介するというコーナーで、11月16日の放送でカズレーザーという芸人がこの本を紹介したということである。
 30年前のこの本を紹介するというのは異例のような気がするが、それにしてもこの放送で本がベストセラーになるというのも異例ではないか、テレビの影響は確かにそれほど大きいということであろう。

 内容であるが、筒井康隆氏の「実験小説」である。30年前頃、「虚人たち」や「大いなる助走」など、実験的でセンセーショナルな小説を発行していた時期の一冊である。当時、何冊かは著者のこの手の作品は読んでいたが、この小説は未読で今回初めて読んだもの。
 小説という虚構の中で、「音」が少しずつなくなっていき、その「音」を使った言葉がなくなるということが物語の中で続いていくのだが、一番最初に消える音が「あ」である。
 「あ」が消えることによって、主人公である作家の妻が夫を呼ぶときに困る姿が秀逸である。つまり普段最初に声をかける「あなた」がなくなってしまった訳である。

 小説の文章の中で消えた「音」を使わずに進めるという長編小説であるが、著者の語彙力には驚くべきものがある。今更ながら「筒井康隆恐るべし」である。

 一般的には文庫の最後に「解説」があるが、この文庫版には「解説」の代わりに「調査報告」として「論文」が掲載されている。この本を題材に大学の卒業論文に取り組んだ学生とその指導教授による論考になっているが、あまりにも言語学的な論文なのできちんと読むのには抵抗があったが、日本語研究にはとても興味のある小説となったようである。

 何れにしても久しぶりにかつて愛読した筒井康隆氏の小説を読むきっかけができ、続いて近著の著者自身が「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長編」と宣言された「モナドの領域」を読んでみることとし、中古本を購入した。

 これもまた楽しみ。

(2018.01.04)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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category: 小説(文庫)

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