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2019年02月の記事一覧

【KIndle】「イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子」 東海友和 (著)  

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出版社: プレジデント社 (2018/10/30)



 新聞に掲載されていた本書の広告にユニクロの柳井正氏のコメントが掲載されていた。いわく「今まで僕が読んだ人事の本で最高の本」。柳井氏が推薦したマネジメントの本はこれまでにも数冊読み、その造詣の深さに一目していたところであるが、今回はわざわざ「人事の本」と言っている。マネジメントではなく、マネジメントの最たるものとも言われる「人事」についての本という事で早速読んでみた。

■ 著者について
 著者である東海友和氏についてはWikipedia内に項目はなく、プレジデントオンラインに特設ページが設定されていた。
 三重県生まれ。岡田屋(現イオン株式会社)にて人事教育を中心に総務・営業・店舗開発・新規事業・経営監査などを経て、創業者小嶋千鶴子氏の私設美術館の設立にかかわる。美術館の運営責任者として数々の企画展をプロデュース、後に公益財団法人岡田文化財団の事務局長を務める。その後独立して現在、株式会社東和コンサルティングの代表取締役、公益法人・一般企業のマネジメントと人と組織を中心にコンサル活動をしている。

■ 小嶋千鶴子について
 こちらはWikipediaに詳しい。本書評伝の主人公である小嶋千鶴子は現在のジャスコ創業者・岡田卓也氏の実姉。前身である岡田屋呉服店時代に父親、そしてその後を継いだ母、姉の急死により、経営を継いだ1939年23歳の時から、実の弟である岡田卓也氏に代表をバトンタッチし、その後役員として行動する姿が描かれている。特に「人事・組織専門経営者のレジェンド」とも呼ばれた彼女の「人事」マネジメントについて当時部下であった著者が解説しているスタイルの評伝となっている。なお、本人は100歳を超え現在も健在である。

■ 人事の要諦
 著者が小嶋千鶴子から得たものを記載しているが、私自身が「人事の要諦」として感じた内容を以下に掲載したい。

・(1969年)小嶋は、新会社ジャスコで、社是「商業を通じて地域社会に奉仕しよう」を定め、同時に従業員の行動規範である「ジャスコの信条」と「ジャスコの誓い」を作り全従業員に配布、唱和させた。言葉は思想であり知識である

・店長の仕事で最も重要なことは、地域での会社の代表として、お客様へのサービスと数百人の従業員を預かり責任ある仕事を任されているという使命感を持つことである

・働く個人の生産性を高めるためには、①常に精神状態を肯定的に保つこと、②一生懸命かつ効率的に働くこと、③知識とノウハウの増加を図ること、④個人的友好関係を保つこと

・小嶋はよく現場でよく従業員に『問題あらへんか?』と声をかける。これは、①現場の問題への意識・関心を探ること、②その従業員の状況を把握すること、③その従業員に当事者意識をもたせるというものだ

・生産性の低い会社・職場に共通しているのはマネジメントが不在か、有効に働いていない場合がほとんどである

・維持機能だけの官僚化された組織の中ではイノベーターは生まれない。また、革新もなされることはない。発展力に必要なのは、何よりもイノベーターなのである

・人事政策の基本は、会社の中に良き風土を創造し、それを維持浸透させることである。『自分たちの会社は間違いなく社会に貢献している。だから誇りをもって仕事ができる』、このように考える社員が多ければ、これは会社にとって大きな強みである

・人事政策の要諦は、変化に対応する人材の育成である。企業には変化を好ましいことと考え、変化を先取りし、変化を予見して施策に反映させる人材が必要である

■ 最後に
 著者が本書をいま著した趣旨として次のように述べている。「経営においては、こういった混沌とした世界の中、いかなる変化にも耐えうる体質づくりが急務である。小嶋が縷々述べた持続的成長の担保は人づくりしかなく、まずそれらを推進する改革者的経営者とリーダーの育成である。いま存在していないものを創り上げることに責任を負い、未来を切り開くリーダーである」

 やはり何だかんだ言っても経営は人だ。人づくりがいかに大切か、改めて実感した次第。本書は今後も機会あるごとに読み返したい一冊である。

(2019.02.21)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★★
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☆ 購入日 2019年01月15日(火)
☆ 価格  1,600円
☆ 読了日 2019年01月24日(木)




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category: ビジネス書籍(Kindle)

thread: 読書メモ

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【書籍】「そして夜は甦る (ハヤカワ文庫)」 原 尞 (著)  

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出版社: 早川書房 (1995/4/1)



先日新刊で読んだ「それまでの明日」の著者である原尞のデビュー作。「それまでの明日」が面白かったので、最初の作品をまず読んでみようとメルカリで購入して先月読み終わっていたもの。

■ 著者について(Wikipedia)

原 尞(はら りょう、1946年12月18日 - )は、日本の推理作家。本名は原 孝。佐賀県鳥栖市生まれ。福岡県立福岡高等学校、九州大学文学部美学美術史科卒業。大学卒業後上京。フリージャズ・ピアニストとして活動し、高木元輝や阿部薫らと共演した。1971年、日本幻野祭に高木元輝トリオのメンバーとして出演。このときの演奏は『幻野』のタイトルでレコード化されている。その後、帰郷して執筆に専念、1988年、西新宿に事務所を構える中年私立探偵・沢崎を主人公とした『そして夜は甦る』で作家デビュー。

■ 本書について
ひょんなことから行方不明のルポ・ライターの調査に乗り出すことになった沢崎は、やがて東京都知事の狙撃事件に巻き込まれていく……。いきのいい台詞と緊密なプロット。日本の風土にハードボイルドを定着させた記念すべきデビュー作

■ 感想
1988年のデビュー作であるが、30年後の現在読んでも時代の違いを感じない作品となっている。 携帯電話やパソコンなどのツールがあまり登場しない、主人公の探偵業務や警察の様子などもハイテク的なものを使っていないこともあり、ストーリーが時代に左右されないものになっているということだろう。ストーリー展開が早く、引き込まれる。また主人公である沢崎の推察が息を呑む展開を生み出す。

新作「それまでの明日」出版記念として早川書房のサイトで本書が掲載されていることを知った。
https://www.hayakawabooks.com/n/nf88191f1dc07

(2019.02.17)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2019年01月16日(水)
☆ 価格  864円
☆ 読了日 2019年01月26日(土)





category: ミステリー小説・文庫

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【AudioBook】「フロスト日和 (創元推理文庫) 」 R・D・ウィングフィールド (著), 芹澤 恵 (翻訳)  

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出版社: 東京創元社 (1997/10/18)



 職場への朝の通勤時にはポッドキャストかオーディオブックを聞くことにしている。定期的に聞いているポッドキャストは3番組だけで、それは毎週月曜日の朝の通勤時に聞き終わってしまう。そこで火曜から金曜日まではオーディオブックを聞くことにしており、約5年ほどになる。

 オーディオブックは現在Amazonを始め様々なサイトから提供されているが、私は、株式会社オトバンクが運営している「オーディオブック」(以前は「FeBe」)から購入している。最初のうちはビジネス書が中心だったが、継続して聞くにはビジネス書よりも小説の方が聞きやすいと思い、いまは小説を聞くことが多くなっている。結構長い小説になると1か月くらい聞き続けるのだが、新聞小説を読むように毎日のスタートに良い刺激となっている。

 昨年10月にオーディオブックを探していたら英国の推理小説作家の著作で「クリスマスのフロスト」を発見し、調べてみたら1994年の「週刊文春」ミステリー大賞海外部門第1位になっていた。これは読む(聞く)しかないと思って聞き始め、とても面白かったため、翌月にはシリーズ2作目となる本書を購入し先月聞き終わったもの。

 内容は、よれよれ刑事(昔の刑事コロンボみたい)が難事件を解決していくのだが、日々の思わず笑ってしまうようなエピソードをはさみながら物語が展開していく。今回の「フロスト日和」の音源は約25時間という長さで、年末年始の休みもあり聞き終わるのに2か月かかってしまったが今回もとても楽しめた。

 オーディオブックでのシリーズはあと「夜のフロスト」、「フロスト気質」の2作品。まだまだしばらく楽しい通勤時間を過ごせそうである。 

(2019.02.09)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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 ☆ 購入日 2018年11月19日(月)
 ☆ 価格  1,512円
 ☆ 読了日 2019年01月24日(木)




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category: 海外ミステリー

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【Kindle】「それまでの明日」 原 尞(著)  

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出版社: 早川書房 (2018/3/1)


 「週刊文春」誌上で年末恒例となっている「週刊ミステリーベスト10<2018>」の第2位となっているのを目にし、その他にも、宝島社主催の「このミステリーがすごい!2019年版」、早川書房主催の「ミステリが読みたい! 2019年版」で第1位になっていた本書、まだ未読の作者であったので、今年最初のミステリーとして早速読んだ。

■著者について
 年末に「週刊文春」の記事を読むまで正直この著者のことは知らなかった。略歴を読んでも寡作な作家のようで、1988年のデビュー以来30年で今回の作品が長編5作目だそうである。デビュー翌年の1989年には「私が殺した少女」で第102回直木賞を受賞している作家にしては珍しい部類であろう。デビュー作以来、主人公は私立探偵・沢崎。著者自身も敬愛しているレイモンド・チャンドラーを髣髴させる探偵小説だそうである。

■本書のストーリー
 この小説もデビュー以来の私立探偵・沢崎が主人公である。この主人公のもとにとある金融機関の主人公が調査を依頼するところから物語が始まる。赤坂にある料亭の女将についての調査以来であるが、調べるとすぐにその女将がすでに死亡していることがわかる。そのことを依頼人に伝えようとするのだが、その依頼人に連絡が取れなくなることから主人公自身が事件に巻き込まれていく。全体のストーリーでは傍線となる内容が盛り込まれながらストーリーは進展していくが、最後まで小気味よい緊張感で読み進めることができた。

■「それまでの明日」というタイトル
 このタイトル、何気なく読んでいるともっともらしいが、よく考えると何だか変だ。それは最終章まで読み終わった時に、「3.11」が絡むことによって理解することができる。
 
 初めて読んだ作家であるが、とても楽しめたのでデビュー作から改めて読んでみようと思う。

(2019.02.07)

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 おすすめ度 ★★★★☆  
 読みやすさ ★★★★☆
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 ☆ 購入日 2019年01月08日(火)
 ☆ 価格  1,750円
 ☆ 読了日 2019年01月15日(火)




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