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2020年03月の記事一覧

【Kindle】「座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」」出口 治明 (著)  

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出版社: KADOKAWA (2019/12/7)



 知人から紹介されて読んだもの。知人曰く「自社のリーダーがまさに踏まえるべきことが書かれている」とのこと。この会社だけでなくリーダーとして踏まえるべき内容だと思った。

 もともと本書の著者の出口治明氏の本は何冊か読んでいる。それまで勤めていた生命保険会社を58歳で退職し、それからライフネット生命を起業してから著名になった人であるが、その年齢からこんなに著名になった人などいるのだろうかと思うほど、随分以前から活躍していたような気がする。1948年生まれというから今年72歳になるが、ライフネット生命企業から14年である。そのライフネット生命も2006年に起業し、2013年には後継者に譲り、2017年には取締役を辞任している。

 特に起業後に著書を多数出版しているが、若い学生時代から膨大な読書量、特に歴史に造詣が深く、自身の経験に基づく「仕事」、「生き方」、「リーダーシップ」などの著書が多い。

 以前読んだ著書に「人を育てるのは、読書、旅、人」という言葉があるが、著書を読むたびにその言葉がしっくりとくる。

 本書の初めに「名君と呼ばれる人の『2つの絶対条件』」として
  ① 「権限の感覚」を持っていること
  ② 臣下の「諫言」を得たこと
 が紹介されている。

 ①は、仕事をいったん部下に任せたら、それは部下の仕事であり、そこに口を出してはならないという仕事を任せることのルールである。簡単なようでなかなかできないことではないだろうか。ついつい口を出してしまう。そして上司から口を出されれば部下は「だったら自分でやればいいだろう」と思ってしまう。任せた上でうまくいかなければ責任を自分で取る、そこまでの覚悟が「任せる」ことには必要だということだろう。

 ②は、皇帝であっても決して万能ではなく、欠点や過失を指摘されることを望み、喜んで聞き入れる姿勢が大事だということである。上司になるとその地位にあぐらをかいてしまい、何か言われることを好まなくなってしまう、そして部下も上司のそのような姿勢を見て、何も言わなくなってしまう。結果的に上司は「裸の王様」になり、組織は成長どころか衰退していくことになる。

 上記の内容をベースとして様々な内容が紹介されている。
 古典、それも中国の古典となるとなかなか手にしないものだが、本書は解説がわかりやすく、とても参考になる。

 著者が「普段は価値の押し付けが嫌いなのでこの本を読めと人に勧めることはないが、例外的にこの「貞観政要」だけは読むことを勧めた」と書かれているが、原典はなかなか読めないので、本書のような解説本は非常にありがたい。必読の一冊だと思う。

(2020.03.08)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年02月12日(水)
☆ 価格  946円(Kindle版 851円)
☆ 読了日 2020年02月18日(火)






【内容紹介】

稀代の読書家が、いつも座右に置く中国古典とは?

「僕は毎日、この古典に叱られています」(著者)――
中国は唐の2代皇帝・太宗による統治(貞観時代の政治)の要諦が凝縮された『貞観政要』。
クビライ、徳川家康、北条政子、明治天皇……と時代を超えて、世界最高のリーダー論として読み継がれている古典である。
本書では、稀代の読書家であり、『貞観政要』を座右の書にする著者が、その内容とポイントを、具体的に解説。
全組織人、必読の中国古典。


【目次】

 序 章 「世界最高のリーダー論」はどうして生まれたか
  時代背景(1) 「中国」の成り立ちを知ると、古典がわかりやすくなる
  時代背景(2) 認められるリーダーには「正統性」が必要
  時代背景(3) 組織を安定させる「ロジック」とは
  時代背景(4) 中国の正史には、必ずしも事実が描かれるわけではない
  時代背景(5) 名を残したいという「真っ当な欲望」が名君を生んだ
  ……他

 第1章 リーダーは「器」を大きくしようとせずに、中身を捨てなさい
  リーダーは、部下に支えられる“寄生階級”である
  「何もしないリーダー」を理想と考えよ
  この「秩序の感覚」を持っていますか?
  上司は「人間として偉い」わけではない。部下と「機能が違う」だけ
  「自分がしてもらいたくないこと」は相手にしない 
  ……他

 第2章 「部下の小言を聞き続ける」という能力
  明君の条件――「複数の人の意見」を聞いているか
  指導する側にも、される側にも必要な「覚悟」
  上司を諫める部下がいなければ、組織は滅びる
  リーダーは、この「3つの鏡」を持ちなさい
  「不機嫌な表情を見せてはいけない」現実的な理由
  ……他

 第3章 「いい決断」ができる人は、頭の中に「時間軸」がある
  自分の身を修められない人は、組織を治められない
  あらゆる「大事」は、「小事」から起こる
  悪いことは“ただちに”やめる、善いことは“ただちに”行動する
  「一度、口にした言葉」は取り消すことができない
  「深く、広く」考え、「早く、正しく」決断する法
  ……他

 第4章 「思いつきの指示」は部下に必ず見抜かれる
  「思考」と「感情」は、思っている以上に密接
  「どっしりと構えて待つ」という仕事がある
  「読書」「筆法」「人との交流」――人物を大きくする3要素
  「疾風、勁草を知る」――なびく人、なびかない人
  「信のない言葉」では人を動かせない
  ……他

 第5章 伝家の宝刀は「抜かない」ほうが怖い
  たんたんと、「言うべきこと」を言うコツ
  一人で行う判断には「質的な限界」がある
  「いい部下が見つからない」――それは言い訳です
  「少数」にするから、「精鋭」が生まれる
  組織内のルールはシンプルなほどよい

 第6章 有終の美は「自分」にかかっている
  「創業」と「守成」は、どちらが難しいか
  君主は「舟」であり、人民は「水」である
  有能な「かつての敵」を、側近として登用できますか?
  2代目で国家が乱れたら、それは「臣下の責任」
  あらゆる組織の急務は、後継者を選ぶこと
  ……他


category: ビジネス書(Kindle版)

thread: 読んだ本

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【Kindle】「知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)」 立花 隆 (著)  

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出版社: 文藝春秋 (2020/1/20)





 立花隆という名前を知ったのはいつだろう、と思ってしまう。ぼんやりとした記憶では高校時代に文藝春秋に掲載され始めた「田中角栄研究」なのだろう。当時の総理大臣が逮捕されるというロッキード事件との関連で記憶に深く残っているのかもしれない。
 その後は、仕事柄、「中核vs革マル」なども読んだが、これは実は「田中角栄研究」よりも前の著作であった。随分と早い時期から多くのボリュームのある取材に基づく著作を続けていたものだと思う。

 今回、そのような氏自身の執筆活動を振り返った著作が出版されたのを知り、改めて立花隆という人をよく見てみようと思い、本書を読んだ。

 読み終わって思うのはやはりこの人は天才なのではないかと思う。若い時からの着眼力、行動力、先見性などが並外れている。過去の日本の中に様々なジャーナリストがいるが、後世に「この人」と言われる筆頭であろう。

 本書によりその執筆の歴史を理解することができるが、先ほど挙げた「中核vs革マル」、「田中角栄研究」や「日本共産党の研究」などの政治的色彩の濃いノンフィクションが出版された70年代から、80年代には「宇宙からの帰還」などのいわゆる「宇宙もの」と呼ばれる著作から、86年の「脳死」をはじめとした医療関係のノンフィクションに移っていく流れ、そして90年代以降のインターネットの発展に伴い取材対象がさらに科学、医療、など範囲が広がっている。

 著者は2020年5月に80歳となるが、本書にも書かれているその旺盛な好奇心は衰えることを知らない。

 そして晩年となって「死」を扱うようになり、2015年に出版された「死はこわくない」に著された「死」に対峙する気持ち、姿勢。本書の中でも自身の癌の羅感に伴って「死がこわくなくなった」という境地。とても感慨深い内容だった。

 氏の著作はハードルが高いという先入観があったが、本書は対談をもとに書かれているので読みやすく、今読んでおいて良かったと思える一冊であった。

(2020.03.08)

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 おすすめ度 ★★★★★  
 読みやすさ ★★★★☆
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☆ 購入日 2020年01月29日(水)
☆ 価格  1,045円(Kindle版 1,000円)
☆ 読了日 2020年02月08日(土)





【内容紹介】
 立花隆を要約するのは非常に困難である。まさに万夫不当にして前人未踏の仕事の山だからだ。時の最高権力者を退陣に追い込んだ74年の「田中角栄研究ーその金脈と人脈」は氏の業績の筆頭として常に語られるが、ほぼ同時進行していた『日本共産党の研究』で左翼陣営に与えた激震はそれ以上のものがある。
 『宇宙からの帰還』にはじまるサイエンスものでは、『サル学の現在』でサルと人間に細かく分け入り、『精神と物質 分子生物学はどこまで生命の謎を解けるか』でノーベル賞科学者の利根川進に綿密な取材を施し、『脳死』では安易な脳死判定基準に鋭く切り込んだ。科学を立花ほど非科学者の下に届けてくれた書き手はいない。浩瀚な書物である『ロッキード裁判とその時代』『巨悪vs言論』『天皇と東大』『武満徹・音楽創造への旅』は余人の及ばない仕事であり、また旅を語っても、哲学、キリスト教、書物を論じても冠絶しておもしろい。
 立花隆はどのようにして出来上がったのか、そして何をしてきたのかーー。それに迫るべくして、彼の記憶の原初の北京時代から、悩み多き青春期、中東や地中海の旅に明け暮れた青年期、膀胱がんを罹患し、死がこわくなくなった現在までを縦横無尽に語りつくしたのが本書である。彼が成し遂げた広範な仕事の足跡をたどることは、同時代人として必須なのではないだろうか。


【目次】
 第一章 北京時代と引き揚げ体験
 第二章 幼少時代から高校まで
 第三章 安保闘争と渡欧前夜
 第四章 はじめてのヨーロッパ
 第五章 文藝春秋時代からプロの物書きへ
 第六章 二つの大旅行
 第七章 「田中角栄研究」と青春の終わり
 第八章 ロッキード裁判批判との闘い
 第九章 宇宙、サル学、脳死、生命科学
 第十章 立花ゼミ、田中真紀子、言論の自由
 第十一章 香月泰男、エーゲ、天皇と東大
 第十二章 がん罹患、武満徹、死ぬこと



category: ビジネス書(Kindle版)

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【読書のまとめ】2月の読書   

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2020年2月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2913ページ
ナイス数:26ナイス
https://bookmeter.com/users/640279/summary/monthly

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■個が立つ組織 平和酒造4代目が考える幸福度倍増の低成長モデル
読了日:02月29日
著者:山本典正
https://bookmeter.com/books/15012598

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背高泡立草 [ 古川 真人 ]
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■【第162回 芥川賞受賞作】背高泡立草
読了日:02月25日
著者:古川 真人
https://bookmeter.com/books/15021329

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かんぽ崩壊 (新書746) [ 朝日新聞経済部 ]
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■かんぽ崩壊
読了日:02月22日
著者:朝日新聞経済部
https://bookmeter.com/books/14959513

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■呉兢『貞観政要』 2020年1月 (NHK100分de名著)
読了日:02月18日
著者:出口 治明
https://bookmeter.com/books/14954598

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■座右の書『貞観政要』 中国古典に学ぶ「世界最高のリーダー論」 (角川新書)
読了日:02月18日
著者:出口 治明
https://bookmeter.com/books/14883804

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■催眠〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
読了日:02月17日
著者:ラーシュ ケプレル
https://bookmeter.com/books/618996

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■催眠〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
読了日:02月09日
著者:ラーシュ ケプレル
https://bookmeter.com/books/618995

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41歳の東大生 [ 小川 和人 ]
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■41歳の東大生
読了日:02月09日
著者:小川 和人
https://bookmeter.com/books/14736496

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■知の旅は終わらない 僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと (文春新書)
読了日:02月08日
著者:立花 隆
https://bookmeter.com/books/15013933

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■サイレント 下 (ハーパーBOOKS)
読了日:02月01日
著者:カリン スローター
https://bookmeter.com/books/11911357


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